【 Eternal Loop 〜生命の環〜】
[MIDI] RECIPRO [物語] ハクの妹 |
| 【前記】 | |
| 物語はこれで終わり!・・・のはずでした。でも、もう少しUPしていきたいと思います。好奇心半分で作った物語がありました。テーマは「生と死、そして命」。しかし、この中坊がそんなとてつもないものを表現できるはずもなく、投稿するのは自粛しようと思ってました。でも、そんな矢先に悲しい事件が起こりました。 世界貿易センタービル同時多発テロ事件 もう一度生と死についてよく考えてみようと思いました。皆さんにも考えていただきたいなと思いました。少し主旨は違うかもしれませんが、読んでいただければ嬉しいです。長編番外みたいな感じです。本編といっしょにして考えたら時期などがごっちゃになるので、これはこれとして読んでください |
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● Story1 命が終わる時 |
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| 命は大切である よく言われること。当然のこと。でも、本当に分かっている人はどれくらいいるんだろう? 「死」というものを意識する機会は少なくなってきていると思う。もちろん、「生」についても。 今まで私は「生と死」を軽く考えてきました。 例えば、ハクのためならこの命を捧げてもいいという考え。 間違っているかもしれないということは分かってるつもりだった。それ程ハクに対する愛情が深いんだと思っていた。そう錯覚していた。 けど、それは絶対に違うこと。「死」から生まれる本当の幸せなんて絶対に無い!例え、相手の死を望んでいても、望まれていても、忘れたとしても。 それをものすごく痛感した出来事がありました。 春。新しい生命が生まれる季節。 この日、例によって珊瑚の森に皆が集結した。 目的は花見。あの大木は桜の木だったのだ。今年も美しい花を咲かせている。 今が満開。桜吹雪の中、皆はその様子を眺めていた。 「綺麗。何か、春が来たって感じね〜」 香奈は無駄に(笑)感傷に浸っている。茜も瞳を輝かせていた。 「私、桜が大好きなんだ!こういう所が日本のいい所だなって」 一方、琴音はつまらなそうに呟いた。 「もうすぐ三年生か・・・」 そう。淳と琴音はもう最上級生になるのだ。いよいよ勝負の年である。(お前もな・涙)←現在中3 「何だろうな?この漠然とした不安・・・(汗)」 「あはは、がんばれ受験生♪」 「あー?人事だと思ってー」 淳の機嫌はあまり良くはなさそうだ。 「確かに、ある意味茜ちゃんはずるいよねー」 琴音は苦笑しながら景色に目をやる。すると、ある異変に気づいた。 「?何あれ?」 「どうしたの?」 皆が注目すると、向こうに見える一本の木が枯れていた。茶色に色づいた葉が、はらはらと落ちている。 「枯れてる・・・。かわいそう・・・」 茜は悲しそうな瞳をした。 「でも、仕方がありませんよ」 そう言ったのは珊瑚。 「命はいつか尽きるもの。これは自然の摂理です。それに、枯れた木の株からはまた新しい命が芽生える。今までずっとそうやって自然界は成り立ってきたのですから」 ハクも頷いた。 「珊瑚の言う通りだ。そう心配することはない。・・・しかし、この時期に枯れるのは珍しいな」 「季節は関係ありませんよ。そっとしておきましょう」 そして再び宴は続けられた。だが、この枯れ木が、この後の森の未来を暗示していたのだ・・・。 四人が帰ったあと、茜はまだ桜の花びらを見つめていた。 「いつ見てもいいなあ。やっぱり好きだなあ・・・」 「でも、こんな話ご存知ですか?」 「わっ!!」 いきなり珊瑚が現れた。何だかいつもと様子が違うような・・・。 「ど、どうしたの??」 「桜の花びらは美しい桃色をしていますよね?」 「う、うん。それがどうかしたの?」 「ごくまれですけど、真っ赤な花びらがあるそうなんですって・・・」 心なしか、周りの空気が冷たくなったような気がした。茜は嫌な予感がした。 「花びらはどうやって色づくかご存知です?」 「ううん。聞いたことない・・・」 ふと、珊瑚の表情が暗くなる。 「・・・実はリンという成分で赤くなるのですよ?それは人体にも多く含まれていて、あまりにも美しい色の桜は、大方その下には人間の・・・」 茜の顔から血の気が引いた。 「・・・い、いや〜!!それ以上言わないでえ!!!」 隅にうずくまり、ガタガタと震えている。 「じょ、冗談だよね・・・(涙)」 すでに涙声である。珊瑚はにっこりと笑った。その表情を見て茜は安心したのだが・・・ 「・・・本当ですよ?クスクス」 「〜〜〜〜〜!!!!!(激怯)」 茜は危うく気を失いそうになってしまった。 「ああ!だ、大丈夫ですか!?」 「・・・大丈夫じゃないよお・・・」 どうやら茜はホラー系が苦手らしい。珊瑚もやり過ぎだよ・・・(汗) 「こら!珊瑚!!」 現れたのはハク。半分苦笑していた。 「全く、お前も変わったな・・・」 「すみません。少しやり過ぎました・・・(汗)」 珊瑚も反省しているようだ。最近妙にハイテンションである(笑) 「茜、大丈夫か?」 「・・・ふえええええええ・・・(泣)」 茜はすっかり滅入ってしまっていた。まあ、すぐに立ち直れたのだが(笑) しかし、一見幸せそうなこの光景も、翌日には一変することになる。 茜は日課で森を散歩する。森自体、かなり広いので毎日いろいろな発見があるのだ。 「・・・あ!!」 今日も何か見つけたようだ。 「ヨモギだ!!もう少ししたら(て言ってもあと一ヶ月あるけど・・・)五月だからヨモギ団子作ろうかな〜?」 今摘んだら一ヶ月も持たないので、そのままにしておく。森に関する知識もだいぶ増えてきた。 「・・・ん?」 顔を上げると、何かが視界に入ってきた。 「・・・人・・・?」 よく見るとそれは幼い少女だった。雪のように白い肌、純白の長い髪、白装束、そして漆黒の瞳― 茜が見とれていると、いつの間にかその少女はいなくなっていた。 「人間じゃないのかな・・・?まあ、多いからなあ。ここ・・・」 その時は、特に気には留めなかった。 「幼い少女?」 「うん。十歳くらいの女の子。ハクは何か知らない?」 「いや、心当たりは無いが・・・」 帰ってから茜はハクに相談したが、有力な手がかりは得られなかった。 「そういえば、珊瑚ちゃんは?」 「珊瑚なら今は薬草を採りに行っている。もうじき帰ってくるだろう」 「ただ今戻りました」 「あ、ほんとだ!」 珊瑚は両手いっぱいに抱えていた薬草を地面に広げた。 「すごーい!」 「これだけあれば十分。あとで薬を作っておくよ」 「お願いします」 珊瑚が立ち上がろうとした時、それは突然起きた。 (!?) 視界がグラリと揺れたかと思うと、いきなり倒れたのである! 「!!珊瑚!!」 ハクが抱き起こすが反応は無い。ぐったりとしている。 「珊瑚ちゃん!?・・・ハク?どうしちゃったのかな!?」 「分からない・・・」 茜は何が起きたのか理解出来ず混乱していた。 「ねえ!?珊瑚ちゃん、どうなっちゃうの?このまま死んじゃうの!?そんなの嫌よ!!」 すっかり茜は取り乱していた。 「落ち着け!!」 ハクが大きな声を出したので茜はビクッとなった。 「ハク・・・」 ハクは茜の肩を掴んで言った。 「ここで私達が混乱しても仕方がないだろう?とりあえず様子を見るんだ。私も不安だ。でも、今やるべきことは他にあるはずだろう?」 「うん・・・」 ハクの言葉を受けて、茜も心を落ち着かせた。 「まずは寝かせよう。少し手伝ってくれ」 「分かった」 珊瑚を寝かせたあと、二人はもう一度今までのことを整理することにした。 「やはり気になるのはその少女だな」 「うん。何か人間じゃないような気がするの。特別な力を持ってるような・・・」 二人はしばらく考え込む。やがてハクが口を開いた。 「知っているような気もするのだが、やはり思い出せないな。とにかく今の所は様子を見るしかないか・・・」 「あ!!」 茜は何やらピンときたようだ。 「ほら、この前お花見した時、木が枯れてたじゃない?もしかしたらそれが何かヒントになるかも」 ハクも頷き、同調する。 「そうか。確かに珊瑚はこの森の主だからな。森と密接につながっている。森に何か異変が起きたからそれが珊瑚にも現れたのかもしれない」 「明日、他に異常が無いかどうか調べてみようよ!」 「そうだな」 翌朝、早速茜とハクは森を調べた。すると、衝撃の事実が判明した。 「・・・何これ・・・?」 何と、三十本を超える木々が枯れていたのである。 「まさかこれほどとは・・・」 ハクも驚愕した。しかも、周りの木々をみるみるうちに巻き込んでいっているのだ! 「このままじゃ森の木が全部枯れちゃう!何とかしないと・・・」 二人は焦っていた。しかし、珊瑚の下へ戻ると、更に一刻を争う事態に事は発展していた。 「!!珊瑚ちゃん!?」 そこには珊瑚の変わり果てた姿があった。肌に血色は無く、髪が真っ白になっていたのである。まるで白化して死に行くさんご礁のように・・・。 「もう、時間との闘いになっているということか・・・」 「はぁ・・・、はぁ・・・、はぁ・・・」 珊瑚は時折苦しそうな声を上げる。 着実に滅びていく森。衰弱した珊瑚。その二つが交錯した時、ハクの脳裏に一人の人物が浮かんだ。 「・・・まさか、『あのお方』が・・・?」 「あのお方?誰?」 「名は無い。光と闇、陰と陽、そして生と死を司る者・・・」 「え・・・?」 ハクは話を続ける。 「通称『陽月(ひづき)』。少女と少年の二つの姿を持つ神だ。何千年も生きていて、自然のあらゆる生と死を管理している。でも、なぜ珊瑚が・・・?」 陽月は新たな命を創りだし、奪いもする。陽月が命を奪いに来るということは、死期が迫っているということだ。 「じゃあ、もし女の子がその陽月って神様だったら、珊瑚ちゃんは死ぬのを待つしかないの?この森は滅びるしかないの!?」 茜が問いただすが、ハクは沈痛な表情をしている。 「・・・陽月の判断には何人も逆らえない。陽月から命を与えられるのも、奪われるのも、全て起きるべくして起きることだ。どの道変えることは出来ない・・・」 「そんな・・・」 茜は珊瑚の手を握った。とても冷たい・・・。 「・・・私は何も出来ないの・・・?ただ黙って見ているしかないの・・・?珊瑚ちゃん・・・ごめんね・・・!!」 茜の瞳から涙がポタポタと落ちる。 「もう、この森は手遅れだったの。四神の力をもっても、汚されたこの土地を完全に浄化することは出来なかった・・・」 ((!!)) 茜とハクが振り返ると、そこには茜が森の中で見たあの少女が立っていた。 「そう!この子!私が見たのはこの子よ!」 「やはりあなたでしたか・・・」 生と死を司る神――陽月は珊瑚に近寄った。 「・・・かわいそうな子・・・。無意識の内に自分の死期を予想していたのね・・・」 それを聞いて茜とハクはハッとなった。ここ数日の珊瑚の様子。明らかに普段と違っていた。 陽月は珊瑚の頭を優しくなでると、漆黒の瞳を二人に向けた。 「和速水琥珀主、望月茜、あなた達は和速水珊瑚神を救いたいと思う?」 「もちろん!!」 茜は二つ返事で頷いた。 「どんな代償を払うことになるとしても?」 「え?」 陽月は一つの水晶を取り出した。 「命が無いの。命は限りなく創りだせるわけじゃないわ。自然の力が弱まり、私も、もう命を創ることは出来ない。だから、珊瑚神の器に相当する命を誰かが手放さないと、珊瑚神を救うことは出来ない・・・」 「では、もし命が見つからなかった場合は・・・?」 ハクも動揺していた。自分の妹が生死の間を彷徨っているのだから。陽月は静かに答える。 「・・・諦めるしかないわ・・・。それでも、どうしても救いたいのなら・・・」 次の言葉を聞いて、二人は凍りついた。 「どっちかの命・・・ちょうだい・・・」 NEXT→Story2 究極の選択、そして・・・ |
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| 【考察】 |